サポート無 | サポート有 | 利益 | |
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離婚 | 不成立 | 成立 | 離婚の成立 |
Oさんと妻は、入籍前に同棲をしており、同棲開始後1ヶ月程で入籍をする予定でした。
ただ、同棲開始後、妻は些細なことで苛立ち、Oさんに八つ当たりするということが頻繁にありました。
Oさんは、妻と結婚することに不安を抱いたものの、入籍前に妻と話し合いをし、お互い思いやりをもって接することを約束して結婚をするに至りました。
結婚してすぐの頃は、妻もOさんとの約束を守り夫婦関係は良好でした。
しかしながら、結婚して数ヶ月も経たないうちに、妻はまた思いやりに欠ける行動をとるようになりました。
具体的には、Oさんの前でため息や不機嫌な態度ばかりとったり、家事はOさんに任せきりなのに感謝の言葉を述べるどころか文句をつけたり、Oさんの家族を馬鹿にするような態度をとったりしていました。
Oさんは、次第にひどくなる妻の態度に我慢ができなくなり、結婚後半年で妻に離婚を申し入れました。
Oさんの離婚の申入れに対し、妻は、悪いところを改善するのでもう一度チャンスがほしいと離婚を拒否したため、Oさんは最後にもう一度だけ妻のことを信じてやり直すことにしました。
しかしながら、その後も妻の態度は変わらなかったため、Oさんは妻に再度離婚したいと告げたうえで、自宅を出て妻との別居を開始しました。
その後、Oさんは弁護士をつけて離婚協議や離婚調停を行いまいしたが、妻は離婚を拒否し続けました。
Oさんは、離婚訴訟に移行するか否か悩んでいましたが、当初依頼していた弁護士から離婚は難しいと言われていたことや、その弁護士の対応に不満を抱いていたことから、訴訟からは別の弁護士に依頼することを考え、セカンドオピニオンとして弊所に相談に来られました。
相談を受けた弁護士は、これまでの経緯等を詳細に聞き取り、今後の見通しや戦略を丁寧に説明しました。
その結果、Oさんは、離婚訴訟に進むことを決意し、弊所にご依頼の上で手続きを進めていくことになりました。
弁護士は、協議で離婚の余地がないか、最後にもう一度だけ妻に確認をしましたが、妻の離婚拒否の意思が固かったため、すぐに離婚訴訟を提起しました。
裁判の中で、相手方は、離婚について請求棄却(離婚を認めるべきでないという主張)を求めました。
結婚して間もなく、子どもや大きな財産もなかったため、争点となるのは「離婚の可否」のみでしたが、相手方は絶対に離婚をしないという姿勢でした。
そこで、当事務所の弁護士は、夫婦関係の詳細に加え、婚姻期間が短いこと、それに比して別居期間が長いこと等を主張して、婚姻を継続しがたい重大な事由がある(法律上の離婚原因がある)という主張を行いました。
これに対し、相手方も徹底的に争い離婚に応じようとしないため、尋問手続きまで進みました。
尋問手続後、一般的には、和解(話合いによる解決)ができる場合には和解を成立させ、和解ができない場合には判決(裁判所の判断)という流れになります。
Oさんの場合、判決になれば離婚が認められる可能性は高いと考えられましたが、判決の場合には妻から控訴される可能性があり、そうすると離婚が成立するまでに長期間を要することが予想されました。
他方で、争点が離婚だけであったことや、相手方も徹底的に争っていたことから和解は難しいようにも思えました。
そこで、Oさんと弁護士で協議をし、解決金という形で、妻に離婚することへの一定のメリットを提示することにしました。
その結果、双方納得の行く形で和解離婚を成立させることができました。
本件のメインの争点について解説します。
裁判所が離婚を認めるのは、「法律上の離婚原因」がある場合であり、以下の5つの場合に限定されています。
すなわち、①相手方の不貞行為、②悪意の遺棄、③3年以上生死不明、④回復の見込みのない精神病、⑤婚姻を継続しがたい重大な事由の5つです。
本件では、①〜④の事情はなかったため、⑤の婚姻を継続しがたい重大な事由があるか否かという事案であり、ご相談いただいた当初は裁判所に⑤を認めてもらえるかは微妙なところでした。
しかしながら、別居期間も踏まえ、計画的に裁判手続きを進めることで、最終的には離婚が認められる可能性が高い状況にもちこみ、有利な形で和解の交渉を進めることができました。
弁護士が考える判決の見通しについて、「絶対」はございませんが、その分野の経験や知識があるほど、判決に近い見通しをご提示できると思います。
弁護士であれば基本的に全ての分野の対応をすることが可能ですが、少なくとも「裁判」という最終局面においては、離婚問題に精通した弁護士に相談、依頼することをお勧めいたします。
離婚原因について、くわしくはこちらをご覧ください。