サポート無 | サポート有 | 利益 | |
---|---|---|---|
離婚 | 不成立 | 成立 | |
慰謝料 | 300万円請求 | 200万円 | 300万円減額、200万円獲得 |
婚姻費用 | 支払わない | 月額3万円支払う | 月額3万円獲得 |
Mさんは、11年前に夫と結婚しました。
結婚して暫くの間、夫婦関係は良好でしたが、5年ほど経つと、夫の様子がおかしくなり、突然ダイエットを始めたり、休日に仕事と行って出ていくことが増えました。
また、夫は妻を結婚当初から自分の親に会わせたこともなく、帰省は必ず1人で帰っていました。
結婚して5年が経った頃のことです。
夫が帰省したときに、不貞を行っていることが明らかになりました。
夫は泣いて謝ったため、その時は修復することを選択しました。
しかし、夫の休日出勤はなくならず、2018年頃には、休日出勤は給与が支払われないという明らかな嘘までつくようになりました。
結婚して8年が経ったころ、夫は家を出ていきました。
それと同時に、夫からは弁護士をつけたこと、離婚原因はMさんのDV・モラハラであるとの記載がされた書面が置き手紙にされていました。
Mさんは調査会社に依頼し、夫が職場の女性と一緒にホテルに出入りするところや、ドライブをするところの写真をとりました。
別居して間もないころは、Mさんも夫に戻ってきてほしいという気持ちが大きく、なかなか離婚の決心がつきませんでした。
夫に対して、何度も連絡を試みましたが、夫は弁護士を通してくださいと述べるのみで話し合いもできませんでした。
そこで、Mさんは、当事務所の離婚弁護士に相談しました。
弁護士は、Mさんの代理人として、夫の代理人へ受任通知を送付し、既に申立がされていた離婚調停からサポートを行いました。
当事務所の弁護士は、まずは権利として婚姻費用の適正な金額の支払いを求めましたが、夫は頑なに拒みました。
また、離婚についても、不貞慰謝料の支払いを求めましたが、夫は離婚原因は妻のDV・モラハラであると主張し、頑なに慰謝料の支払いを拒みました。
婚姻費用についても、夫は、妻のDV・モラハラが原因で別居をしたため、婚姻費用を支払う必要がないなどと主張しており、さらに、離婚についても、DV・モラハラについての慰謝料を請求するつもりだが、早期に解決できるのであれば、支払い無しで離婚に応じるなどと主張していました。
当事務所の弁護士は、婚姻費用については、調停での解決は難しいと判断し、審判への移行を要請して、別居の原因は夫の不貞であること、一方的な別居であり、当然に婚姻費用分担の義務があることを主張しました。
離婚については、終始不貞はないとの主張で慰謝料を認めなかったため、離婚調停は不成立になりました。
夫から離婚訴訟が提起されたため、当事務所の弁護士は慰謝料請求の訴訟を提起し、あわせて審理されることになりました。
裁判の中で、有責配偶者からの離婚請求は認められないことを主張しました。
当事務所の弁護士は、概要として以下の主張・立証を行いました。
最終的に、尋問後の和解の席で、裁判官の見通しとして、当事務所の弁護士の主張が全面的に認められました。
すなわち、離婚原因は夫の不貞にあることが認められ、慰謝料は200万円となりました。
本件のメインの争点について解説します。
本事案では、離婚原因が何かということで双方が真っ向から対立していました。
相手方弁護士(夫側)は、妻のDV・モラハラであると主張しました。
この場合、慰謝料は妻側が支払うことになります。
これに対して、当方は、夫の不貞であると主張しました。
当然、この場合は慰謝料は夫側が支払うことになります。
もちろん、どちらも存在していて、それぞれの過失の割合で減額ということもあり得る結論ではありますので、事実関係の立証をどのようにするかや離婚について早期解決を望むか等、具体的な事案の状況で結論が異なります。
本件では、夫側の継続した不貞と、不貞相手女性の妊娠の可能性があり、また、夫側が提出した喧嘩の証拠の録音は全て夫の不貞が原因となっていたことなどが結論を左右したといえます。
しかし、夫側の弁護士も強固に妻側のDV・モラハラの主張を続けていたため、婚姻費用や慰謝料については、丁寧に主張立証する必要がありました。
不貞慰謝料について、くわしくはこちらをご覧ください。
離婚問題については、当事務所の離婚弁護士まで、お気軽にご相談ください。