回収した過払金で他の債務を完済したことで、借金をゼロにできた事例

執筆者
Aさん
70代
債務の内訳
総額約220万円
結果
4ヶ月での解決
過払い金請求
の解決事例
※実際の事例を題材としておりますが、事件の特定ができないようにイニシャル及び内容を編集しております。なお、あくまで参考例であり、事案によって解決内容は異なります。

 

本記事のポイント

過払金の発生がわかれば、その貸金業者からの借金額が0になるだけでなく、回収した過払金を他の債権者への返済に回すことで借金総額を減らすことができる可能性があります。

 

 

不安そうなご様子で相談にこられたAさん

Aさんは、ご自身の子供と家族と生活していました。

20年ほど前から消費者金融で借金をするようになり、パートで稼いだお金から借金を返済していました。

しかし段々借入額が大きくなると共に返済額も増え、返済が苦しくなり、自分の稼ぎでは到底返せないと考えたAさんは、債務整理をするために弊所に相談に来ました。

Aさんの借金の内容は以下の通りです。

  • 消費者金融S社 負債額 約200万円 H13年頃から取引
  • B銀行 負債額 約22万円 H27年頃から取引

Aさんの場合、借入先が多いわけではないのですが、負債総額が約222万円と、金額が大きい状況でした。

しかし、S社の取引が平成13年頃からと聞き、またAさんは最近まで返済と借入を繰り返していたということで、弁護士は「Aさんには過払金があるかもしれない。」と考えました。

過払金とは?

過払金とは、払い過ぎた利息のことです。

平成18年に最高裁が利息制限法を上回る金利は無効という判断を示したことをきっかけに貸金業者は金利を見直す動きをとりました。

そのため、平成18年より前に貸金業者から借金をしていた人には過払い金が発生している可能性があります(もっとも、その貸金業者と長期間取引をしていない等の事情により時効が完成していることもあります。)。

仮にS社との関係で過払金があれば、Aさんの負債状況は大きく変わります。

そのため、弁護士には過払金調査も含めてAさんの上記2社に対する任意整理を受任しました。

 

 

過払金が見つかった

契約後速やかに債権者に対して受任通知を送付し、AさんがこれまでS社との間で行ってきた全ての取引履歴を取り寄せました。

S社が送付してきた取引履歴上では、Aさんには過払金が存在するどころか、むしろまだ200万円ほどの借金が残っているとの回答が届きました。

これはAさんから相談の際に聞いていた金額とおおむね一致するものでした。

しかし、同取引履歴では、S社からAさんに対して違法な金利で貸し付けられていたものも含まれ、実際の借金額はもっと低い可能性があります。

それどころか、過払金が見つかる期待もありました。

したがって、弁護士としては取引履歴に記載されている借金額を鵜呑みにせず、弁護士の方で引き直し計算をすることとしました。

引き直し計算とは?

引き直し計算とは、債権者から開示された取引履歴をもとに、利息制限法所定の適法な金利で借金額を計算し直すことをいいます。

計算し直した結果、S社はやはり違法な金利で貸付をしていた時期がありました。

そのためAさんはS社に対して借金が残っているどころか、逆にAさんがS社から過払金を返還してもらえる立場にあるということがわかりました。

 

 

過払金の回収交渉

この結果を受け、弁護士はすぐにS社に対して過払金があるので速やかに返還を求める旨の通知をしました。

一般的には、債権者に対してこのような通知をした場合、債権者が消滅時効を主張して返還を拒んでくるケースもあります。

そういった場合、交渉で話がまとまらなければ民事訴訟を提起する必要が生じるおそれもあります。

しかしながら今回のAさんの場合、幸いにも金額面で債権者との間で大きく揉めるようなことはなく、過払金の返還合意をすることができました。

 

 

回収した過払金で他の債権者の一括返済

S社から過払金返還の目処が立ったということで、次はB銀行への返済計画を立てることとしました。

S社から返還される過払金があれば、そこから弁護士報酬を引いたとしても十分にB銀行に一括できる状況でした。

そこで、Aさんと相談したうえで、S社から返ってくる過払金を原資にB銀行に一括返済するという内容で和解提案することとしました。

S社に上記内容で提案したところ、和解に応じたいという回答が返ってきました。

弁護士は、すぐにAさんに和解が成立したというご報告のために連絡をしました。

今回の債務整理の結果、Aさんは新たな支出をせずに当初は200万円を超えていた借金が0になり、なんとそれだけでなく過払金でまとまったお金を受け取ることができるという結果になったことから、Aさんは大変喜ばれていました。

 

 

事件終了報告でのAさんのご様子

事件が無事解決したので、事件終了報告のためにAさんが来所されました。

Aさんは、初回の相談時とは見違えるほどにお元気な姿を見せてくださいました。

これからは借金の返済のことを考えずに生活できるというに大変喜ばれて帰っていかれました。

 

 

まとめ

Aさんの事例では、Aさんは借金をゼロにするだけでなく、債権者からお金を受け取ることができたという結果となりました。

今回このような解決ができたのは、Aさんが返済に悩んだ時点で早期に弁護士に相談したことが大きな要因となっています。

債務整理をするなら早ければ早いほどよいです。

Aさんと同じような状況にあっても、債務整理を先延ばしにしていると、過払金について債権者から時効を主張されたり、他の債権者への返済額が膨らんでしまったりする等、今より状況が悪化することが多いです。

借金でお悩みの方は弁護士にご相談されることを強くお勧めいたします。

弊所では破産再生部の弁護士が債務整理の相談を初回無料で行っております。

お困りの方は、お気軽にご相談ください。

 

 



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