以下の内訳は、端数切り捨て、四捨五入等をした数字となっています。
損害項目 | 弁護士のサポートによる結果 |
---|---|
通院交通費 | 6万円 |
休業損害 | 120万円 |
入院個室使用料 | 1万円 |
入院雑費 | 3万円 |
入通院慰謝料 | 190万円 |
後遺障害慰謝料 | 276万円 |
逸失利益 | 345万円 |
過失相殺 | 10% |
回収合計額 | 約845万円(自賠責保険から回収した分も含む) |
Mさんは、バイクで優先道路を直進して走行中、左側の道路から車が飛び出してきて衝突して転倒しました。
この事故により、Mさんは、右橈骨骨幹部開放骨折、右尺骨茎状突起骨折などの傷害を負いました。
Mさんは保険会社との交渉等に不安があり、事故から2週間ほど経った頃に当事務所に相談に来られました。
弁護士は、まず、バイク、ヘルメット、スマホなどの物損について示談交渉をし、早期に解決しました。
人損については、重傷だったことから、途中に手術などを行い、事故から症状固定まで約2年ほどかかりました。
治療している間、相手方保険会社のやりとりは全て弁護士が行い、Mさんには治療に専念してもらいました。
そして、症状固定後に主治医に後遺障害診断書を書いてもらい、自賠責保険に被害者請求で後遺障害の申請をしました。
しかし、結果は非該当でした。
そこで、弁護士は通院した全ての病院からカルテを開示してもらい、カルテの内容を精査した上で、主治医と医師面談をしました。
主治医は、後遺障害についてMさんに有利な証言をしてくれたため、その証言内容をまとめた意見書を作成してもらいました。
また、弁護士は、その主治医の意見書やカルテの内容を加味した異議申立書を作成し、自賠責保険に異議申立てを行いました。
そうすると、右尺骨の骨端部に癒合不全を残すものとして、変形障害として12級8号が認定されました。
その後は、相手方任意保険会社と賠償金について交渉し、上記金額で示談となりました。
特に、逸失利益については、その時点で後遺障害がどのように仕事に影響しているかを丁寧に主張し、12級の労働能力喪失率である14%で計算してもらいました。
異議申立てなどで有効な証拠を揃えるために、弁護士が医師と面談をすることがあります。
医師面談では、それまでの治療経過や医師の見解等を聞き出すことができます。
医師面談は、異議申立てで使える意見書を作成するための重要な機会ともいえます。
交通事故事案では、証拠収集場面において、医師面談も選択肢として持っておくべきでしょう。
後遺障害の中でも、特に変形障害については、逸失利益でよく保険会社と揉めます。
その理由としては、変形障害は、ただ変形しただけで仕事には影響力が全くない、もしくは影響力がほとんどないというケースも多いので、裁判例等でも逸失利益が減額されて認定されることがあるからです。
もっとも、変形障害でも個別の事案で仕事に影響があるケースもあります。
仕事に影響があるケースでは、どのような影響があるのかということを具体的に主張立証していく必要があります。
今回のMさんの事案も、具体的に主張できたからこそ、一定程度の逸失利益を獲得できました。
変形障害の逸失利益の主張は、交通事故に詳しい弁護士に任せるべきだといえます。